JRの大阪環状線森ノ宮駅の南東、大坂地下鉄の中央線・今里筋線の緑駅の南西の場所に、これまた煙突が見える地域があります。さてさて、この煙突元は何でしょうか?かつての銭湯か、或いは今も現役の銭湯なのか、いやいやかつての工場か、それとも現役の工場でしょうか?看板がありましたので、現役の会社のようですが、「坩堝」という字がありまして、私は読めませんでした。興味をひかれましたのでこちらの会社のホームページを参照してみました。
【結論】奥村坩堝製造所の煙突
どうやら、株式会社奥村坩堝製作所という会社のようです。
「坩堝」って何て読むの?
これ、読めた方がいたら尊敬したいのですが、調べたところ、「るつぼ」と読むそうです。「人種のるつぼ」で使う、あのるつぼです。ソースがWikipediaで恐縮ですが、このようにあります。
理化学実験や鉱工業において、高熱を利用して物質の溶融・合成を行う際に使用する湯のみ状の耐熱容器である。るつぼを保持する道具としてるつぼはさみ(トング)がある。同じ材質のフタをかぶせることが多い。
るつぼ – Wikipedia
高熱にする必要があるということで、排煙用の煙突があったわけですね。今現在の熱源がどのようなものになっているのかわかりませんが、コークスなどで高温した色々加工・製造していたものと思われます。
どんな工場なの?
奥村坩堝製造所さんのHPを参照させていただいたところ、主な事業としては、製造、業務請負、工事、販売、と4つの部門があります。
坩堝
- ガラス溶融用坩堝・・・ねこ坩堝、日本型坩堝、オープンポット、試験用坩堝
- 亜鉛華用レトルト坩堝
- ガラス溶融窯付属品・・・蓋、浮輪、浮輪止め他
異形耐火煉瓦
既製品ではない、特殊な形状の耐火煉瓦の製造ですね。具体的には、
- バーナータイル
- 熱風発生器用碍子
- 炉蓋(ロブタ)
- ガラスビーズ用炉耐火物
業務用タンドール窯
業務用タンドールメーカー向けOEM製品とのことで、インド料理屋さんなどにあるチキンやナンを焼く(蒸し焼きに近いでしょうか)ダンドールでしょうか、あるいはその他業務用のものだと思われます。タンドールだとインドの以下のような大型のものをイメージしてしまいますが、実際にはもう少し小さいものかもしれません。
或いはインド料理屋さんにありそうな下記のようなものでしょうか。
奥村坩堝製造所さんのHPにはいかのような写真が掲載されていました。上からの写真もあるとよかったですが、タンドールですね。
セラミック溶射材
構造物の耐摩耗・耐腐食・断熱効果等に効果のある溶射に用いられているセラミック製の溶射材料を製造されいます。「耐」「断」の文字が入っていると、製品の難易度といいますか、ちょっとやそっとではおいそれとつくれる代物ではなさそうな事は素人でもわかります。
ガラス管成形用耐火物
- 蛍光灯硝子成形用スリーブ
- ガラスアンプル成形用スリーブ
スリーブとは、元々は英語のsleeve(配管)が語源とのことですが、英語の意味そのままではなく、構造体に配管を通すために空ける「孔」のことをいうようです。ここではさしづめ、ガラス(高温化で製造)管を成形するにあたって、熱に耐えうるモノ、ということですね。HPには2品種が紹介されていました。蛍光灯はガラスなのはわかりますが、アンプルは注射液などが入っているガラス瓶のことですかね。
いずれにしろ、熱に耐えうるものを製造するということで、その製造プロセスはもとより、製造した製品の品質チェックなどでも高い温度でテストをしているのだと思います。
HPを参照して感じた点
もともとは、煙突がトリガーとなり、そして「坩堝(るつぼ)」という字が読めなかったことで興味を抱き、会社のHPを参照したことがきっかけです。HPを訪れてみて、明治45年創業という老舗企業です。明治45年は西暦では1912年ですから、もうすぐ創業120年になろうとしている会社です。
加えて、熟練技術を持つ職人さんがメディアで紹介されています。おそらく個別での特注品や要求性能や品質が非常に高い製品については、職人さんならではの部分が残っているのだと思います。
大量生産するものは合理化のため、機械に置き換わるところもあるでしょうし、設備投資してもそれを賄える販売があるかもしれませんが、一品モノ、特別注文品などはそうもいかないところもあるでしょう。
トップページの写真があまりにもかっこよかったので、もう1枚張り付けさせていただきました。
以前、京橋界隈で見つけた煙突も「耐火」というキーワードではこちらも奥村坩堝製造所さんと同じカテゴリーのように感じました。
場所
住所:〒537-0025 大阪府大阪市東成区中道2丁目13−14
最後に
街巡りは楽しいです。ひょんなことで、調べるきっかけをいただき、自分の知らない世界を少しだけでも知ることができました。あわよくば工場内なども見学させていただきたいですが、もうそんな年頃でもありませんし、仕事の邪魔にしかならないので、奥村坩堝製造所さんのHP参照までにとどめておきたいと思います。
リンクはこちらです。
国産の坩堝・耐火煉瓦メーカー|株式会社 奥村坩堝製造所 (okumurarutubo.co.jp)
最後までお読みいただき、ありがとうございました。