以前の調査で都島区の斜めに８００ｍも続く細長い公園について当地の写真や過去の地図などで整理しました。今回さらにその先の西側まで散策し、かつての井路（小さな農業用水路）が同様に公園や道路になっている場所を確認できましたので、前回作成したブログからだいぶ時間がたってしまいましたが、その続編として整理させていただきます。
前回記事についてはこちらを参照ください。
今回の対象地域
大阪府大阪市都島区善源寺町２丁目６−１０あたりで、谷町線都島駅北側の約２００ｍのこのエリアです。
もう少し拡大してみます。具体的な施設名は、「友善ちびっこ広場」とGoogle map上では登録されています。その南西側には前回調査した約800ｍもの小さい公園群が緑の破線で地図上にありますね。
Google map上の地図をはりつけるとこちらになります。今は小さな公園になっているようですね。
古地図から振り返る
明治41年(1908年）測量の地図
左側地図の緑枠部が今回の対象です。かつての井路川は、今では道路に代わり、あるいは小さな細長い公園になっているようです。現在大阪拘置所の場所、かつては製糖工場だったことが伺えます。大川沿いにはその水運を活かして川沿いには多くの工場がこの後の進出してくることになります。
昭和4年（1929年）測量の地図
大川から製糖工場を回って南西へ伸びていた井路をまだ確認できます。この頃になると、大阪拘置所の南側には製紙工場があるのがわかります。現在のベルパーク界隈には広大な紡績工場があったことから、工場集積地であったことが伺えます。
桜ノ宮駅北側には、貨物線用の駅だった淀川駅が、その東側に大阪市内を主要幹線道路を通じてくまなく張り巡らされた大阪市電の都島車庫を確認することができます。
昭和11年（1936年）の航空写真
左がそのままの航空写真、右側はその写真にかつて井戸（水路）があった場所を青色で線を引いてみました。
赤枠部をさらに拡大してみました。左側が1936年時、右側は現代地図です。この時は大阪拘置所の現在地まだ製糖工場だったと思われます。なぜなら、なんと、野球場が2面もあります。今は野球場も高層マンション群たっています。
前置きが長くなりましたが、細い水路を確認することができます。今は道路になり、一部のみ公園になています。そして西側は工場内にあるかのように見えます。
非常に細いものですが、水路を交差する橋部も確認できます。
昭和20年-25年（1945年-50年）時の航空写真
戦後どのタイミングかは確認できませんが、戦後の航空写真です。大川沿いの工場関連施設の建屋が残っていることを確認できますが、周辺部は多く焼けています。焼夷弾で通常民家を燃え、そうでない施設は焼け残ったのでしょうか。このタイミングでも井路を確認できます。
昭和36年-39年（1961年-64年）時の航空写真
まだ井路を確認できますが、南西部の都島北通1丁目界隈の井路は埋め立てが進んでいるように見えます。
これ以降の地図や航空写真で確認できませんでした。
現地の写真
当地の東側から順番にそれぞれ①から④までの地点の写真です。このうち、②と③がこの小さな公園の東西の入り口となります。
①東側道路部（埋め立てられて道路になっています）
西から東を向いての写真です（斜めでごめんなさい）
②友善ちびっこ広場：東側入り口
榎並公園と同様に、細長い公園ですが、遊具もありますし、公園内には季節の木花が彩っています。
③友善ちびっこ広場：西側入り口
小さい公園ですが、滑り台、雲梯、ブランコと公園遊具Mustの遊具もしっかりあります。
④西側
この先もかつては井路のはずでしたが、道路があるわけでもなく、公園があるわけでもなく、柵に覆われています。基本的に埋め立てられた井路は公用地になっているケースが多いのですが、この場所だけ民間に払いさげされたのか、もしくは何かしの理由で柵でふさいでいるのでしょう。
この先は、大阪拘置所となります。かつての井路もその中にもあったものと思われます。
最後に
前回は都島区を南東から北西に向けて約８００ｍと連なる小さな公園、児童遊園を紹介し、そして今回通りを挟んでさらに西のほうへかつて井路だった場所が道路や遊園になっている場所を地図と突き合わせつつ確認することができました。かつては剣先舟に農産物を満載した水運、高度成長期の下水道未整備時期には多くの排水が流れ込んだことでしょう。汚染する前は、魚やカニなどがいたかもしれませが、今は小さな公園・遊園となって現代の子供達の遊びの場となっています。
最後までお読みいただきまして、誠にありがとうございます。
以前整理した南側、鯰江川へ注ぐ榎並川の関連記事はこちらです。