かつての京阪京橋駅は今ある京橋駅とは異なる場所にありました。高架されるまでの京阪京橋駅、高架前の路線などを振り返ってみたいと思います。今、京橋駅は、JR(環状線、学研都市線)、京阪本線、地下鉄と公共交通の結節点であり、人々の移動に多く貢献していますが、かつての京阪の京橋駅がどこにあったのか、どこを走っていたのか、という点を整理します。
京阪京橋駅の歴史
今ある京阪京橋駅になる以前、京阪の京橋駅は2つの場所を変遷します。
1910年(明治43年)4月15日 – 京阪本線開業
初代の京橋駅は、大阪城大手門につながる、橋の「京橋」最寄りにありました。
1910年(明治43年)12月15日 – 初代京橋駅 廃駅
しかし開業からわずか8か月で初代京橋駅は廃駅となります。隣接していた天満橋駅と野田橋駅(後の京阪片町駅)と近すぎたのかもしえません。
1932年(昭和7年)10月30日 – 国鉄京橋駅東側へ移転
もともと今ある京橋駅の東に蒲生駅、西に野田橋駅(後の京阪片町駅)とありましたが、蒲生駅のほうが国鉄京橋駅に近かったので移動します。この時点での駅名はまだ蒲生駅のままです。(同年の2月という情報もあります)
移転した距離でいうと、200mくらいです。
1949年(昭和24年)10月1日 – 京橋駅と改称
戦後、蒲生駅から京橋駅(2代目)と駅名が変わります。赤枠内の縦書きが京阪京橋駅です。
1969年(昭和44年)11月30日 – 高架化に伴い現在地に移転
高架化に伴い、天満橋駅 – 野江駅間が経路変更となります。下図の青い線が旧線です。
そのタイミング同じくして、京阪の(3代目)京橋駅西側の片町駅は京橋駅と隣接するようになり、廃駅となります。ちなみに最寄りにあるJRの片町駅は28年後の1997年に廃駅となります。
かつての路線は今
京阪野江駅から先代の京橋駅をぬけて、現路線までに旧路線を歩いてみました。
矢印は写真を撮影した向きです。数字は写真の番号です。①あたりから今の京橋駅からやや北側を回るルートが旧ルートとなります。
① 商店街の中から西へ
② 商店街で最も広い通路(道路へ)
③ 2代目京橋駅界隈
京橋では有名なアミューズメントビルのグランシャートーの北側に2代目で京橋駅がありました。商店街の中の道路の中で、ここがもっと広いです。
④ 高架のJR環状線の下をくぐる
JR環状線の下をかつての京阪本線が複数で通っていたかと思うとわくわくします。
JR側の高架の石の積み上げをみると、時代を感じるものがあります。
⑤以降からは、環状線を西へ抜けた以降路線を歩いてみたいと思います。
⑤ 道路沿いに西へ。緩やかなカーブです。
⑥ 歩道が両サイドにあるので道路は1.5車線ほどです。
⑦ 実際の路線はコムズガーデンを横切ります
⑧ コムズガーデンを超えて引き続き緩やかなカーブへ
⑨ 京阪本線までは真っすぐ。合流時あたりが旧京阪片町駅
旧京阪片町駅へとつながります。駅があったので必然的にスピードを落としていたと思います。
ギャラリー
⑤の写真の反対側からの構図となっている、osaka-kentei-.jpさんのPDFからの写真です。高架工事中の京阪本線、JR環状線、さらに京阪本線の旧線を確認することができます。
当初はリアルにある「京橋」のたもとにあった京橋駅、鉄道各社の路線の改善、乗換の利便性を考慮しつつ、今の場所へ京阪本線の京橋駅が変遷してきたことを整理することができました。京橋駅界隈に来られた際は、街中にあるかつての線路跡を眺めているのも良いかと思います。京橋駅界隈は鉄道の変遷の歴史が多くあると改めて感じます。