2019年3月に新大阪から放出まで開通したかつての城東貨物線が旅客化され、「おおさか東線」として沿線を見ていると煙突を発見することができました。自転車で最寄りまでいってみると、どこにでもありそうな住宅地や公園の界隈にポツンと取り残されたようかのごとく煙突があります。周辺を走ってみても、銭湯のような入り口を確認することができませんでした。となると想定される建屋は・・・
【結論】旭加工紙株式会社さんの煙突でした
旭加工紙 さんは、本社を大阪市都島区御幸町であり、おおさか東線をはさんだ、この高殿一丁目にあるのは同社の工場です。
工場の北側には昭和らしい雰囲気が漂う長屋があります。
旭加工紙株式会社さんについて
HPにアクセスしてどのような会社なのか調べてみました。HPはこちらです。
会社ロゴ
ブランドロゴの下に、”Sun Seal is only one products in the world” と記載されています。旭区の旭がまるで旭日をもしているかのようなマークに、旭加工紙をSun Sealと意味づけたったのでしょうか、とても良いネーミングですね。
紙を以て、「包む、貼付ける、保護する」をモットーにしているようです。
創業 1931年(昭和6年)
なんと、今から90年前(このブログ執筆時は2021年)、当初は大阪市都島区に合資会社富士工業所を設立したとのことです。それからなんと、日本国内で最初に、「ガムテープ」の製造販売を開始、とHPにあります。すごい会社ですね!
昭和6年の1931年といえば、ニューヨーク・ウオール街を端として世界的に発展する金融恐慌が各国に深刻な影響を与え、日本も同様に巻き込まれて未曾有の大不況となった年です。
おまけに農産物価格の大暴落に凶作が追い討ちをかけ、農村では娘の身売りも頻発した年でもあります。旭加工紙さんが創業した年はそんな年でした。
商品群
国内で初めてガムテープを世に出し、そのガムテープがエコ認証を受けた商品であるとHPに説明がありました。その他、紙をベースにした各種クッションやラベル、緩衝材(お酒やフルーツをつつむ)など、多岐の商品を扱っているようです。
- エコガムペーパー
- ECOラべ
- ペーパークッション
- ペーパークッションソフト
- サンシール 水溶性接着剤タイプ
- サンシール 粘着ラベルタイプ
- ガムテープ
- 特殊クレープ紙
- ベースシート
場所
2019年に旅客化されたおおさか東線のJR野江駅と城北公園通駅の間に位置していますが、城北公園通駅からは徒歩800mほどの距離に位置しています。
最後に
これまでの工場系煙突では、いずれも高熱での融解(ガラス)、焼き物(煉瓦)などでした。旭化工紙さんの工場ではどの製品の、どの工程に煙突が組み込まれる要素があるのかHPだけではわからなかったものの、たしかに敷地内には煙突があり、今もしくは過去に煙突が役立っていたのは明らかだと思います。或いは住宅地にあるからこそ、排煙が迷惑にならないよう、煙突を通じて排気している可能性があります。
直接ヒアリングしたわけではなく、あくまでも外観レベル、HP参照レベルからの推測にすぎません。
大阪市内には、多くの煙突が残っているといえます。そのほとんどは銭湯の煙突や現役の工場、もしくはかつて操業していた工場の煙突だったりです。地域にもよりますが、中高層の集合住宅や中規模のビル、団地などがあると、「煙突」という構造物があっても、気が付かない時があります。
はたふと上を見上げた時に、視界に煙突が入ってきたのであれば、それはとてもラッキーでしょうね。
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数はまだ少ないですが、本ブログで取り上げた、工場関連の煙突に関する記事を関連記事として最後に紹介したいと思います。最後まで目を通してくださり、ありがとうございます。