大名の「元祖赤のれん」で博多豚骨ラーメン|1946年創業の庶民の味を守る名店

物価高騰の影響で、ラーメン一杯が1,000円を超えることも珍しくなくなった昨今。2024年には豚肉価格が前年比で約2割上昇し、ラーメン店の倒産件数も49件と前年同期比でほぼ倍増しているという深刻な状況が報じられています。そんな中、福岡市の中心部・大名エリアに、いまだ手ごろな価格で本格的な博多豚骨ラーメンを提供し続けてくれるお店があります。「元祖赤のれん 節ちゃんラーメン 天神本店」です。

旧大名小学校の東側という好立地にあり、週末はいつも行列ができるほどの人気店。インバウンドの方々にもその味が広まっているようで、店内は国際色豊かな雰囲気に包まれています。今回は、この庶民の味を守り続ける赤のれんの魅力と歴史をお伝えしたいと思っています。

赤のれんの歴史|博多ラーメンの源流

赤のれんの創業は1946年(昭和21年)。終戦からわずか1年後のことです。初代・津田茂さんが福岡市箱崎で屋台として始めたのがルーツとされています。戦後の食糧難の時代に、豚骨を余すことなく活用して生まれた濃厚なスープは、まさに庶民の知恵から誕生した味だったのではないかと考えています。

「赤のれん」という店名の由来がまた面白いのです。箱崎のお店で、当時の九州大学の学生たちがお店の電球に赤く染まるのれんを見て「赤のれん」と呼び始めたのだそうです。大学町としての箱崎の活気が、この愛称を生み出したのだと感じています。

博多ラーメンの源流としては、三馬路(1941年創業)、赤のれん(1946年創業)、博龍軒(1952年創業)の三店が挙げられることが多く、赤のれんはその中でも独自の製法を守り続けてきた存在です。豚骨の頭・足・背骨・皮をボロボロになるまで約16時間煮込むスープ、そして醤油ダレには小豆島産の特別な醤油「もとづめ」を使用するというこだわりは、創業当時から変わらないのだそうです。

2013年に現在の大名に移転し、福岡市営地下鉄天神駅から徒歩約6分の場所で営業を続けています。ちなみに、お店のすぐ近くにあった旧大名小学校は2014年に閉校し、その跡地には2023年6月に「福岡大名ガーデンシティ」がオープン。リッツ・カールトン福岡などの高級施設が入居する再開発エリアとなりました。庶民派ラーメンと高級ホテルが隣り合うこの光景は、福岡という街の多様性を象徴しているのではないかと思っています。

実食レポート|これぞ博多の豚骨ラーメン

注文したのはもちろん、看板メニューの博多とんこつラーメンです。価格はなんと550円。この物価高の時代にワンコインに近い価格で本格的な豚骨ラーメンがいただけるのは、本当にありがたいことだと感じています。

運ばれてきたラーメンは、青い唐草模様の丼に盛られた美しい一杯。スープはクリーミーな豚骨白湯で、16時間煮込んだというコクと旨みが口いっぱいに広がります。臭みはほとんどなく、それでいて豚骨の深い味わいがしっかりと感じられます。麺は博多ラーメンらしい極細の平打ち麺で、スープとの絡みが抜群です。チャーシューも厚めにカットされており、柔らかくて食べごたえがあります。これぞ博多の豚骨ラーメン、という一杯でした。

替え玉と卓上の調味料

博多ラーメンといえば替え玉です。赤のれんの替え玉はすぐに提供されるのも嬉しいポイント。お皿に盛られた極細麺にネギがたっぷりと載っています。替え玉をスープに投入する前に、卓上の調味料で味変を楽しむのがおすすめです。

卓上には替え玉用のタレ、紅ショウガ、コショウ、ラー油などが整然と並べられています。替え玉を入れたらまずはタレを回しかけ、紅ショウガを添えて味の変化を楽しむ。この一連の流れが博多ラーメンの醍醐味だと思っています。調味料がきちんと管理されているところにも、お店の丁寧さが表れているように感じました。

博多餃子とチャーハンもおすすめ

忘れてはいけないのが博多餃子です。博多の餃子は一般的な餃子よりも小ぶりなのが特徴で、一度に2つガブリといけるサイズ感がたまりません。外はカリカリに焼き上げられ、中はジューシー。ラーメンとの相性も抜群です。

さらに、満腹感をしっかり味わいたい方にはチャーハンもおすすめです。パラパラに炒められたご飯に、卵とネギの風味が効いた王道のチャーハン。たくあんが添えられているのも嬉しいポイントです。ラーメン定食(780円)にすれば、ギョーザと半チャーハンがセットになっており、これだけ食べて780円というのは驚きの価格設定だと思っています。

まとめ|庶民の味を守り続ける赤のれん

1946年の創業から70年以上、赤のれんは博多ラーメンの源流としてその味を守り続けています。物価が高騰し、ラーメン業界全体が厳しい経営環境に置かれる中で、550円という価格で本格的な博多豚骨ラーメンを提供し続けてくれるこのお店の存在は、本当に貴重だと感じています。

2024年には食べログ百名店にも選出されており、その実力は折り紙付きです。福岡・天神エリアを訪れた際には、ぜひ一度足を運んでみてください。きっと「これぞ博多ラーメン」という、ほっこりとした一杯に出会えるはずです。

以前の記事(二郎系ラーメンの麺屋菊次朗、西新駅から徒歩5分)でも福岡のラーメンについて紹介しましたが、二郎系とはまた違った、博多ラーメンの正統派ともいえる赤のれんの味わいは格別です。また、2023年地域別ラーメン消費金額ランキングでも触れましたが、日本のラーメン文化は地域ごとに多様な発展を遂げています。そうした中で、赤のれんのような歴史ある店が変わらぬ味を守り続けていることの意味は大きいのではないかと考えています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

博多赤のれん代表的な豚骨ラーメンと一口餃子
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