都道府県別:店舗内製造パン屋率

パン屋の小売り店は、その店舗内で焼き上げたものをそのまま店内へ展開するパン屋と、メインたるパン工場で焼いたパンを販売だけ行う店舗へ展開するケースの二種類があります。総務省・経済産業省の経済センサスでは、単純にパン屋小売の中にもこの2つが大別されています。私は前回、都道府県別10万人当たりのパン屋店舗数を調べた際に、そのあたりも気になったので、提供されているデータをピボット操作して、整理してみました。

【結論】10万人当たりパン屋店舗数の多い県は店舗内製造率が低い傾向にある

全国平均では、パン屋が100店舗あった際、84店舗は店舗内で焼き上げており、16店舗は販売のみ、という内容です。

これを見ると、10万人当たり店舗数ランクトップ5の県・府のうち、愛媛県、岡山県、長崎県、京都府は全国平均以下であることがわかります。一方10万人当たりの店舗数第2位の徳島県は、この店舗内製造率では88.78%(16位)と平均以上となっています。

順位都道府県店内
製造率
10万人
当たり
店舗数

ランク
製造
(店数)
販売
のみ
(店数)
1山梨県94.74%7905
2沖縄県93.88%231389
3北海道92.61%2847638
4静岡県92.20%2234329
5群馬県92.09%1119817
6三重県91.98%1717215
7神奈川県91.58%3474068
8鳥取県91.30%40424
9富山県91.09%29929
10香川県90.38%139410
11滋賀県90.37%3012213
12高知県89.87%8718
13埼玉県89.72%3556765
14長野県89.22%2718222
15愛知県89.09%4248259
16徳島県88.78%28711
17兵庫県88.70%1452667
18福井県88.24%127510
19岐阜県87.88%3914520
20大分県87.68%612117
21千葉県87.55%4143662
22東京都87.50%321162166
23奈良県87.05%1812118
24和歌山県86.87%168613
25栃木県86.60%2516826
26新潟県86.52%1919931
27熊本県86.00%3712921
28宮城県85.94%4711018
29石川県85.94%1011018
30福岡県85.81%949682
31青森県85.06%437413
32広島県83.96%3122543
33京都府83.69%527253
34山口県83.56%1512224
35長崎県83.15%314830
36茨城県83.00%3620542
37福島県82.39%3314531
38宮崎県81.82%219020
39鹿児島県81.37%2413130
40岩手県80.39%388220
41愛媛県79.70%115740
42秋田県78.18%464312
43大阪府77.39%26681199
44佐賀県77.38%206519
45山形県76.71%455617
46島根県74.47%443512
47岡山県65.46%416386
全国86.45%10,4741,642
出典(総務省・経済産業省「平成28年経済センサス‐活動調査結果」をもとに比率算出

考察

調査はまた後日しますが、まずはなぜこういう10万人当たり店舗数が多いが、店内製造率が低いことの理由として、

・大手の有名どころのパン屋があり、販売のみの小売店を多く展開している

・小さな店舗、もしくは品数が少なくても店舗当たりの経営が成り立つほどご当地パンが強い

・販売のフランチャイズを展開しているパン屋がある

・お店でパンを製造、焼き上げ以外で、菓子パンやサンドイッチなどのパン屋の比率が多い

あたりでしょうか。

この辺りは、今後調査していきたいと思います。また店舗数だけでなく、パン消費量、パン購買金額なども別の指標もあるため、これらも組み合わせたうえで整理していきたいと思っています。ざくっと感じる点は、パン屋の数は、西高東低といいますか、西日本のほうがパンを好んでいるような気がします。

店内で焼くパン
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