日本人口、1億2800万人、ほんの2008年まではこの人口数だったが、そこをピークに人口が減少し続けている。しばしば子供を産むことができる指標として、厚生労働省から算出されている「合計特殊出生率」が用いられます。この数値が常に下がり続けており、今後も下がっていくことが予想されます。管理人は、まずは国の人口に対して、出生数がどのように遷移しているか、総務省統計局の情報を整理し、個人的な見解述べようと思います。
参考データ:総務省統計局発行 日本の統計2020
「日本の統計」は,我が国の国土,人口,経済,社会,文化などの広範な分野に関して,基本的な統計を選んで手軽に利用しやすい形に編集したものです。2020年版は,29の分野,365の統計表,48のグラフから構成されています。
日本の統計 2020年版
将来に渡って減り続ける人口
総務省のデータは、確実な調査結果が反映されている平成30年(2018年)までをリアルな実数として、令和2年以降は2065年までの将来見込み数値が記入されています。もちろんこれは今のベースや比率をもとに計算されているものですから、未来がこの通りになるとは限らないのですが、人口統計は最も未来を予測しやすいデータと言われていることから無視できないところがあります。(大規模な戦争、ベストなどの疫病で、国の人口動態が変わるようなケースや、国の政策が抜本的に変わり、人口が増えるような政策があればまた別でしょう。)
西暦 | 総数 (千人) | 出生児数 (千人) | 死亡者数 (千人) |
1920 | 55,963 | … | … |
1925 | 59,737 | 2,148 | 1,235 |
1930 | 64,450 | 2,135 | 1,185 |
1935 | 69,254 | 2,182 | 1,170 |
1940 | 71,933 | 2,110 | 1,224 |
1945 | 72,147 | 1,902 | 2,147 |
1950 | 84,115 | 2,447 | 915 |
1955 | 90,077 | 1,769 | 708 |
1960 | 94,302 | 1,624 | 713 |
1965 | 99,209 | 1,811 | 712 |
1970 | 104,665 | 1,932 | 721 |
1975 | 111,940 | 1,948 | 707 |
1980 | 117,060 | 1,616 | 722 |
1985 | 121,049 | 1,452 | 738 |
2000 | 123,611 | 1,241 | 824 |
1995 | 125,570 | 1,222 | 925 |
2000 | 126,926 | 1,194 | 968 |
2005 | 127,768 | 1,087 | 1,078 |
2008 | 128,084 | 1,108 | 1,142 |
2009 | 128,032 | 1,087 | 1,146 |
2010 | 128,057 | 1,083 | 1,188 |
2011 | 127,834 | 1,074 | 1,256 |
2012 | 127,593 | 1,047 | 1,248 |
2013 | 127,414 | 1,045 | 1,277 |
2014 | 127,237 | 1,022 | 1,274 |
2015 | 127,095 | 1,025 | 1,301 |
2016 | 126,933 | 1,004 | 1,300 |
2017 | 126,706 | 965 | 1,343 |
2018 | 126,443 | 944 | 1,369 |
2020 | 125,325 | 902 | 1,414 |
2025 | 122,544 | 844 | 1,522 |
2030 | 119,125 | 818 | 1,603 |
2035 | 115,216 | 782 | 1,659 |
2040 | 106,421 | 700 | 1,652 |
2045 | 97,441 | 613 | 1,561 |
2050 | 88,077 | 557 | 1,557 |
2055 | 78,564 | 500 | 1,434 |
2060 | 70,381 | 442 | 1,234 |
2065 | 63,125 | 397 | 1,125 |
2008年から2020年からは毎年のデータが掲載されていますが、それ以前・以降は5年毎のデータになっています。
おそろしい事に、2020年から2025年までのわずか5年間で日本人口は278万人も減ってしまうという予測です。大阪市の人口が約270万人ですので、たったほんの5年間で大阪市にいる人の数だけ人がいなくなってしまう、と考えるとおそろしくなります。
なくなった方がそれまで住んでいた家、日常の生活で出入りしていた商店、各種サービス、どうなってしまうのでしょうか。なによりも、出生率が低下していることもあるので、生まれてくる人たちもどんどん減っていくことから、あらゆる点で今のやり方とはまったく違う方法や政策が求められるのは急務かと思います。
人口減少に加え未曾有の超高齢化社会へ
日本に限らず、先進国の合計特殊出生率は2.00を割っている国が多いですが、日本はそれに輪をかけて65歳以上の方の比率が増えていることも問題視されています。人生100年の時代と言われ、医療技術の発展により、人が容易に死なずに長生きできるようになりました。また年金についても、今現在の年金は、総務省が定義する14歳までの「年少人口」、そして15歳から64歳までの「生産年齢人口」比率が、高齢者の比率と比べて圧倒的に多く、年金を払う人がもらう人よりも圧倒的に多かった時代からくるものです。今後多くの政策が出てくるとは思いますが、おそらくそれは支払い開始タイミングが遅れるもの、もしくは現役世代からの税金徴収率が増える可能性があり、そもそも年金という概念が崩壊する可能性すらも感じます。全くゼロになることはないかと思いますが、現役時代に蓄えた貯金がなければ年金だけで生活するのが非常に困難になるほど、金額が目減りしていくことが考えられます。
西暦 | 0~14歳 (率) | 15~64歳 (率) | 65歳以上 (率) |
1920 | 36.5 | 58.3 | 5.3 |
1925 | 36.7 | 58.2 | 5.1 |
1930 | 36.6 | 58.7 | 4.8 |
1935 | 36.9 | 58.5 | 4.7 |
1940 | 36.1 | 59.2 | 4.7 |
1945 | 36.8 | 58.1 | 5.1 |
1950 | 35.4 | 59.6 | 4.9 |
1955 | 33.4 | 61.2 | 5.3 |
1960 | 30.2 | 64.1 | 5.7 |
1965 | 25.7 | 68.0 | 6.3 |
1970 | 24.0 | 68.9 | 7.1 |
1975 | 24.3 | 67.7 | 7.9 |
1980 | 23.5 | 67.4 | 9.1 |
1985 | 21.5 | 68.2 | 10.3 |
2000 | 18.2 | 69.7 | 12.1 |
1995 | 16.0 | 69.5 | 14.6 |
2000 | 14.6 | 68.1 | 17.4 |
2005 | 13.8 | 66.1 | 20.2 |
2008 | 13.5 | 64.5 | 22.1 |
2009 | 13.3 | 63.9 | 22.8 |
2010 | 13.2 | 63.8 | 23.0 |
2011 | 13.1 | 63.7 | 23.3 |
2012 | 13.0 | 62.9 | 24.2 |
2013 | 12.9 | 62.1 | 25.1 |
2014 | 12.8 | 61.3 | 26.0 |
2015 | 12.6 | 60.7 | 26.6 |
2016 | 12.4 | 60.3 | 27.3 |
2017 | 12.3 | 60.0 | 27.7 |
2018 | 12.2 | 59.7 | 28.1 |
2020 | 12.0 | 59.1 | 28.9 |
2025 | 11.5 | 58.5 | 30.0 |
2030 | 11.1 | 57.7 | 31.2 |
2035 | 10.8 | 56.4 | 32.8 |
2040 | 10.7 | 52.5 | 36.8 |
2045 | 10.4 | 51.6 | 38.0 |
2050 | 10.2 | 51.4 | 38.4 |
2055 | 10.3 | 51.5 | 38.2 |
2060 | 10.3 | 51.3 | 38.4 |
2065 | 10.2 | 51.5 | 38.3 |
すでに、2020年に女性の半分は50歳以上という統計が発表された今、日本の人口減少、そして世界の国に類を見ない高齢化社会はもはや歯止めがかからないでしょう。
昭和61年4月(1986年4月)より前までは、女性の厚生年金開始年齢は55歳でした。その後引き上げられ、今や65歳から厚生年金を受給となっています。
現役世代の社会保険料は年々どんどん高くなっている一方で、今年金もらっている方々の多くはそこまで税制が高くない時代であり、それこそ消費税も今よりも低い時代、もしくは存在しなかった時代を生きてきた恵まれた世代かもしれません。
払い損が確定している年金
サラリーマンの方は源泉徴収されてしまうので、回避のしようがありませんが、年金を払ったところで将来それ以上にもらえる保証は極めて少ないと考えるのが良いでしょう。古いデータですが、2009年にOECD(経済協力開発機構)が日本での世代別に払った額・得る額を整理したグラフを共有します。
この表が出たのが2009年なので、あなたの今の年齢から2009年まで差し引いた棒フラグを参考にしてください。もはやこの段階で、年金をもらっている人以外は、皆払った額よりも貰えない、ということが示されています。自分が将来もらうための年金ですが、すでにリタイアした今の年金世代のために払うしかなく、その金額は貰う額よりも多いでしょう。平均寿命が延びているとはいえ、なんだか複雑な気持ちです。今後年金受給年齢も引き上げられていることでしょう。会社でいつまで働くか、いつまで働けるのか、と考える機会もあります。むしろ早死にしたら損だ、こうなれば100歳以上長生きして絶対に払った金額よりもたくさんもらってやる、と奮起し偏食や運動不足などの不摂生を正すきっかけにもしたいです。
今後に備えておきたい事
多くの書籍にも書かれていることですが、平凡な会社員・サラリーマンであっても、自らお金を稼ぐことができる何かしのスキル、有形・無形問わず提供できるサービスによって対価を受ける何か、もしくは何かを仕入れて、付加価値をつけて販売するなどのスキルを磨いておくことが必要とされるでしょう。
ひたすら会社で頑張って働いていれば、墓場まで安泰だった時代はとうになく、自身一人の力では及びようのない事態で会社が窮地に陥ってしまうケースもあるでしょう。コロナ禍で大変なことになっている事業関係者はまさにその渦にあるといえます。
私が常々感じるのは、会社で漫然で働くだけでなく、常に2つ目、3つ目の仕事やマネタイズを意識しつつ、何かにトライするなり、新しい事にチャレンジすることをし続けていく必要があると感じています。
自営業者、サービス業の中には80歳前後の方であっても現役で頑張っている方々がいます。身体や顔のしわなどは年齢を感じるものの、仕事を継続できる、仕事の機会があるというのはとても恵まれていると思います。
今後の備え、という観点でのビジネスも増加していくかと思います。不動産という資産を持つことも選択肢の一つかもしれませんが、人口減少の日本にありながら、不動産投資はどこまで有効なのか。しばしばどこからか流出した個人情報をもとに管理人の携帯電話にも、「〇〇駅近くに新築のマンションを建築中です。投資目的にいかがですか、損しませんよ」といった類の電話がかかってきます。基本は取り扱わないですが、焦ってこうした話に飛びつかないよう注意したいと思います。ただ、しっかり不動産を目利きしたうえで、投資してそれなりの投資運用効果を上げている方がいるのもまた事実でしょう。ただ物事そんなに甘いものではなく、皆が皆同じことをして利益を上げれるようなものであれば、それはおかしいといわざるを得ません。予備知識なく、そのための勉強投資や自身の知見やアイデアに基づいてマネタイズできるようなアクションは人それぞれだと思いますので、その人がお役立ちできる何かを以て第二、第三のお金を稼ぎ方を学んでいければよいかと思います。
コロナ禍で多くなったものといえば、自転車やバイクでの出前請負人ともいえる、Uber やDidiの配達人の方々です。登録し、自転車を走らせればとりあえず人間関係やスキル抜きにしてお金を得ることができますが、人より抜きん出て稼いでる方は、普通の人が漫然と配達しているのと比べて、地図情報や安全な近道、出前の食べ物をしっかり保温して安全に出前するための自身のノウハウを持っているようです。やはり、工夫をしていると言えます。
すごいなぁと思うところありますが、仕事を通じて効率を上げて、普通の人が1時間で3件配達するところを4件配達し、それを継続していくだけでも大きな差が生まれるでしょう。たかが1時間あたりたかが1件と、短いスパンではそう思いますが、それを蓄積すれば大きな差になります。全ては一歩一歩の積み重ねであると痛感しています。