パンの小売り業には、製造小売りと小売りの2種類があります。製造小売りは、お店の中でパンを焼いてそれを販売しているお店、小売は店内でパンを焼いておらず、純粋にパンの小売りのみをやっているタイプです。以前のブログでは、都道府県別のパン小売り業を10万人あたりの順位を整理した際に、この製造小売りと小売りの双方を合算した店舗数をベースにしていました。今回は、これらを分けて整理したみたいと思います。製造小売りのパン屋さんは「内製」しているということで、都道府県別順位は内製率で整理してみたいと思います。
【結論】:パン小売内製率トップ3は、1位山梨県、2位沖縄県、3位北海道
内製率が高いということは、パン屋さんが店内でパンを焼きあげているお店が多いといことです。一方、ワースト3は、山形県、島根県、そして岡山県でした。以前のプログで整理しましたが、岡山県は都道府県別人口10万人あたりのパン屋小売り店舗数では、全国では第四位でしたが、内製率では最も低いこととなります。
ちなみに、全国平均でのパン屋さんで販売されているパンの内製率は、86%でした。
都道府県 | 製造小売 | 小売のみ | 内製率 | 小売店数合算 |
山梨県 | 90 | 5 | 95% | 95 |
沖縄県 | 138 | 9 | 94% | 147 |
北海道 | 476 | 38 | 93% | 514 |
静岡県 | 343 | 29 | 92% | 372 |
群馬県 | 198 | 17 | 92% | 215 |
三重県 | 172 | 15 | 92% | 187 |
神奈川県 | 740 | 68 | 92% | 808 |
鳥取県 | 42 | 4 | 91% | 46 |
富山県 | 92 | 9 | 91% | 101 |
香川県 | 94 | 10 | 90% | 104 |
滋賀県 | 122 | 13 | 90% | 135 |
高知県 | 71 | 8 | 90% | 79 |
埼玉県 | 567 | 65 | 90% | 632 |
長野県 | 182 | 22 | 89% | 204 |
愛知県 | 482 | 59 | 89% | 541 |
徳島県 | 87 | 11 | 89% | 98 |
兵庫県 | 526 | 67 | 89% | 593 |
福井県 | 75 | 10 | 88% | 85 |
岐阜県 | 145 | 20 | 88% | 165 |
大分県 | 121 | 17 | 88% | 138 |
千葉県 | 436 | 62 | 88% | 498 |
東京都 | 1162 | 166 | 88% | 1,328 |
奈良県 | 121 | 18 | 87% | 139 |
和歌山県 | 86 | 13 | 87% | 99 |
栃木県 | 168 | 26 | 87% | 194 |
新潟県 | 199 | 31 | 87% | 230 |
熊本県 | 129 | 21 | 86% | 150 |
宮城県 | 110 | 18 | 86% | 128 |
石川県 | 110 | 18 | 86% | 128 |
福岡県 | 496 | 82 | 86% | 578 |
青森県 | 74 | 13 | 85% | 87 |
広島県 | 225 | 43 | 84% | 268 |
京都府 | 272 | 53 | 84% | 325 |
山口県 | 122 | 24 | 84% | 146 |
長崎県 | 148 | 30 | 83% | 178 |
茨城県 | 205 | 42 | 83% | 247 |
福島県 | 145 | 31 | 82% | 176 |
宮崎県 | 90 | 20 | 82% | 110 |
鹿児島県 | 131 | 30 | 81% | 161 |
岩手県 | 82 | 20 | 80% | 102 |
愛媛県 | 157 | 40 | 80% | 197 |
秋田県 | 43 | 12 | 78% | 55 |
大阪府 | 681 | 199 | 77% | 880 |
佐賀県 | 65 | 19 | 77% | 84 |
山形県 | 56 | 17 | 77% | 73 |
島根県 | 35 | 12 | 74% | 47 |
岡山県 | 163 | 86 | 65% | 249 |
県別を色付けしてみました。
考察
・北海道:セントラルキッチン方式でパンを焼き上げ、パン小売り店へ配送するには域内が広すぎる。
→パン単体事業で成り立たせるのは非常に難しい?
→一方で、秋田県・山形県のように、内製化率が低い県もある。
・域内での著名なパンメーカーが少ない?
→コンビニなどにも展開しているメジャーどころではなく、●●高級パンなどの類、大資本ではないけど、一定地域内のパンを供給できる大規模パン屋、もしくはパンメーカーが少ない?
→もしくは著名なパンメーカーが展開しようにも、規模・物流等の観点で投資対効果にあわない。北海道・沖縄などは、タイムリーな陸運が難しいのでこの観点が当てはまる?(四国、九州は橋を渡ればすぐ)。
→山梨県は人口規模が見合わない?
・パン屋=自分の窯で焼く、という考え方が色濃い?
・パンを店内で焼き上げていない=パン屋とみなしてもらえない? (コンビニで十分か?)
調査に使ったデータ・情報
1、パン屋の店舗数:
データ出典:総務省・経済産業省「平成28年経済センサス‐活動調査結果」
2,画像等
・見出し画像のパン屋の画像:tommy pixelによるPixabayからの画像
・見出し画像のパン屋のイラスト:Here and now, unfortunately, ends my journey on PixabayによるPixabayからの画像
最後に
コロナ禍もあり、当地に行く機会などは旅行や仕事なども含めて、ほどんど難しいため、インターネット上で入手でき得る情報ベースとなりますが、引き続いて関連ありそうな情報入手次第で、その他の関連データとも比較した上で、アップデートできる情報としてまとめることができれば、継続して更新していきたいと思います。
あまり結論めいた内容にできませんでしたが、最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。