日本100名城の住所をTableau上でプロットしてみた

公益財団法人 日本城郭協会が日本国内の名城と呼ばれる城郭を公募し、観光地としての知名度や文化財や歴史上の重要性、復元の正確性などを基準に審査の上選定、2006(平成18)年に発表したものが日本100名城です。築城され、歴史上の色んな理由で喪失してしまった城が多い中、国内ではなおも多くの城、城跡が史跡として残っています。城を代表する天守閣がなくても、かつての縄張り、堀、石垣、櫓、門などの遺構に触れることができる地域は多くあります。

日本城郭協会さんが認定した国内のお城100拠点をTableauにプロットしてみたいと思います。さらに天守閣種別についても視覚化したいと思います。

データの出典元

日本100名城の空間情報を入手したい、というのが今回のポイントです。日本100名城とは、民間団体が設定したものなので、都合よく空間データなどあるだろうかと思って検索したところ、ありました。

日本百選と座標値(経緯度数値) (cyber-ninja.jp)

国内における各種100選に関する空間データが提供されていますので、ここからいただきました。

空間データタイプは、Tableauですぐ使える「度」タイプになっているShiro2のほうのリンクで提供されているファイルを使いました。

エクセルで開くとこんな感じです。

データの加工

若干の加工をしました。具体的には、100名城といっても天守閣がないお城もあります。もちろん天守閣がないから城ではない、ということではないです。城を史跡として見る場合は、石垣や天守台、門や堀なども対象です。100名城として登録されている城の天守の種別をつけるために、5つの種別を分けて登録しました。「現存天守」「木造復元天守」「外観復元天守」「復興天守」「模擬天守」それぞれの種別について後述します。

天守種別という列を設けて、天守閣がある城だけを対象にプロットしていきます。

Tableauでのプロット

さぁ、いよいよTableauでのプロットです。加工したエクセルをそのまま読み込み、「北緯」「東経」と記載している列のデータ種別を変換します。

「北緯」はこのように変換します。

「東経」の列も変換します。

そうすると、緯度経度の情報が地球儀のマークになります。

列シェルフに「東経」、行シェルフに「北緯」を挿入します。

次にメジャーネームの「名称」を「マーク」の「詳細」にドラッグ&ドロップするとこうなります。

各場所がプロットされました。ここに天守閣の種別が色でわかりやすいようにします。同様にメジャーネームの「天守種別」を今度は「マーク」「色」へドラッグ&ドロップします。

そうすると、こんなプロット図になります。天守がデータは、「天守なし」へ名称変更しています。

以下は、Tableauのダッシュボードを埋め込んでいるので、拡大縮小、種別のON/OFF、ハイライトが可能です。

天守種別

100名城の中で、天守閣を有しているのは、私の手元の計算では35城でした。もちろん、100名城に登録されていない城で天守閣を有している城もありますが、この「100名城」に関しては35城でした。

天守閣に種別に整理していきます。

現存12天守

天守閣にもグレードがあります、その中で歴史的に最も高いグレードともいえるのが現存天守といわれるもので、全国で12あります。そもそも現存天守とは江戸時代以前に創建され、現在まで残っている天守(改修含む)のことです。当時の材料がそのまま使われ、自然災害、戦争、政治的な破却命令からも免れ、300年以上の前のお城の天守閣です。

木造復元天守

復元された天守です。かつて天守が建っていた場所に、古写真・絵画・図面などの、いわゆる歴史的な資料に基づいて再建したもので、なおかつ材料や工法も当時と同じものを使って再現したものを「木造復元天守」と表現されます。あえて材料や工法も当時のまま復元するというこだわりを感じます。

外観復元天守

外観は資料にそって復元するにしろ、鉄筋コンクリートなど現代の材料・工法で外観のみ忠実に再現したものを「外観復元天守」と表現されます。全て当時の材料や工法で再現するよりかは現代の材料と工法のほうが限られた予算であってもなんとか復元したい、という条件があったのでしょうか。それでも復元できるのは喜ばしいことですし、現代であれば台風や地震などの天災にも耐えうる設計にすることもできるでしょう。

(追記:後日、和歌山城も外観復元天守であることが気づき、データの更新をしたつもりなのですが、反映できていないようです。和歌山県の皆さま、すいません)

復興天守

かつて存在した天守と規模や位置はほぼ同じではあるものの、 復元にあたっての資料が不足しているため推定を交えたり他のお城の天守を参考にするなど、当時の外観を正確には復元できていない天守のことです。天守閣があったのは間違いない、でも完全に復元するにあたっての情報が不十分な中で、「おそらくこのような天守閣だったのだろう」という復元ですね。

模擬天守

史実では存在しなかったのに建てられた天守や、過去に存在したけど実物とはまったく違う形状で再建された天守を表現します。城(堀や石垣)はあったけど、天守閣までなかったケースもしくは資料が不足していて再現というよりかは、「おそらくこうだったのだろう」ということで近しい天守閣を模して建てられた天守閣、ということでしょうね。

最後に

お城=天守閣、というイメージがあるかと思います。しかし実際には堀、門、櫓、石垣、城壁、城内の建屋など、城郭というくくりで捉える、とても広い観点で見るべきポイントが多くあるかと思います。顔ともいえる天守閣の有無でインパクトは違うかと思います。現存する12の天守閣が今日までその姿を留めているのは、幸運・不運だけでは片付けられない部分もあろうかと思います。また失ってしまった天守閣を復元させる取り組みも素晴らしいことですし、活動実って復元した地域には観光はもとより、そこに住む人たちにも誇りにも等しい郷土愛がまたうまれてくるかと思います。

歴史を勝手に創造していはいけないので、資料などが不足しているなかで天守閣を建設するのもよろしくないでしょうね。

今の時代に建設するとしたら、それは築城といいますか、戦国時代天守閣風の建設物、というような種別になるのでしょうかね。

私が住んでいる福岡市も100名城に登録されている「福岡城」があります。ただ悲しいかな、天守閣台まではあるのですが、天守閣そのものの資料が乏しいため、復元をすることがかないません。そもそも資料がなければそれは復元とはいえないですしね。どこかの蔵か未解析の古文書等で、福岡城天守閣になる資料が見つかってほしいと切に願うばかりです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

参考ページ

全国で90以上も!天守があるお城一覧リスト (shirobito.jp)

現存12天守(天守閣)とは?国宝はどれ? | 城なび (oshiro-navi.com)

公益財団法人日本城郭協会 (jokaku.jp)

日本100名城をTableau地図へプロット
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