大阪城東の玉造筋沿いに巨木街路樹がありました

大阪環状線の東側、大阪城の東側には南北にまっすぐで西側には大阪城、東側には電車検車場、と周囲に住宅がないエリアが長い区間があります。玉造筋、北は寝屋川がある大阪ビジネスパーク(OBP)を起点としたすると、南向きへ環状線と並走しており、天王寺まで続きます。この玉造筋の大阪城東側にはかつて立派な街路樹、もしくは並木道だったことが伺える場所があります。しかし今は諸事情により、それら立派な木々は伐採され、なんだかとても寂しく感じましたので、ここに写真をのせ、最後のコメントさせていただきます。

場所

最寄りは大阪JR環状線の大阪城公園駅、もしくは森ノ宮駅(JR、地下鉄)です。大阪城公園駅で乗り降りする方の99は大阪城公園へ、森ノ宮公園駅で乗り降りする方のほとんどが周辺住民の方、もしくは大阪城公園に訪れる方で、この2駅を結ぶ玉造筋を歩く人、自転車でさえもほとんど見ません。

幹線道路をひた走る、車やバイクくらいです。

玉造筋から西側、大阪城公園内には、「COOL JAPAN PARK OSAKA」と記載ある、白い無機質な建屋があります。外観からはまるで工場みたいです。中に入って、その期待を逆転するかのようなコンテンツかもしれませんが、天下の名城、大阪城の敷地内にある建屋だとしたら、もう少し意匠を凝らして欲しいものです。

一方、玉造筋の東側はJRの電車の検車場があり、レーンが何本もあります。環状線の電車も通りますが、検車場へ休憩、もとい検査のためにゆっくりと電車が出入りするシーンがあります。

この大阪城公園駅と森ノ宮駅間には歩道があるのですが、週末の昼間でまるでひとっけがなく、唯一自転車でうろついている管理人くらいでした。

玉造筋の大阪城東の街路樹の写真

それではかつての街路樹だった木々の写真です。

歩道が整備されていますが、街路樹の根っこにより所々隆起している場所もあります。

かつてこの歩道を覆っていた街路樹、その多くが根本が伐採されていました。

伐採された木々は、直径50㎝はあるでしょうか。私の靴サイズ27.5cmですので、50cm以上の直径の切株も少なくなかったです。

こちらもそうです。サイズ感を出すために足と一緒に撮影しましたが、後日自身で写真を見てみると、私が靴を踏みつけているように勘違いされたら、どうしようと良からぬ不安を覚えました。決して踏みつけるような意図ではやっていないことを文面でも釈明しておきます。

街路のすぐ真横にあった木々、ほとんど伐採されています。

ああ、あんなに太い木になったのに。直近で植えられたばかりの西側の木々はそのままです。太くなりすぎると、逆に切られてしまう、間引きされてしまうのでしょうか。。。十分に成育した木に対しては、間引きという表現は適切ではありませんね。これだけ大きな木であれば、真夏の暑い日であっても、木陰の下を歩くことができたでしょうね。

ただ、この歩道はそもそも人の通りが少ない寂しい筋なのです。

太さがすごいです。ひょっとしたら、戦前の大阪砲兵工廠時から生えていた木でしょうか?だとしたら1945年8月14日の終戦直前の大阪大空襲を生き残った木々かもしれません。ご参考までに、この界隈がかつてアジア最大規模の工場があったことを整理した関連記事も紹介しておきます。

この切株は30㎝くらいでしょうか。巨大なものはもとより、そこまで大きくない木も、検車場側にある木々は根こそぎかりとられています。葉っぱが落ちたり、広がった枝等で不都合があったのでしょうか。

環状線の電車がすぐフェンス向こうで走っています。このフェンス間際の木も同様に。。。

大きく成長したものの、交通の往来、鉄道の安全・管理、お金をかけて伐採するにはしかるべき理由があったことでしょう。ただただ、切株だけが残っています。

なかにはこんな中途半端な状態で伐採された木もありました。鉄道からも距離があり、先に紹介した直径50cmを超える巨木レベルでもないにしろ、歩道の真ん中にあって、根っこからではなく、中途半端な高さで伐採され、その周りには黒と黄色の注意喚起ツートンカラーのテープにまかれた木です。なんだか寂しいですね。どうせなら・・・他の兄弟たちと同様にいっそ、と思いました。或いは何か理由があって、あえてこの状態で残しているのでしょうか、わかりません。

大きくなりすぎたのか、根っこが歩道を隆起させてしまった部分です。普段この界隈を通る住民の方が転んではよくない、ということで伐採したのか、クレームなどがあったのでしょうか。かといって、木を抜いて大阪城公園内に移設しようとしたら、抜粋するコストの10倍以上かかるでしょうね。

苦渋の判断だったことが伺えます。

最後に

歩道沿いの街路樹、並木道、灰色が多い都市部の中で、公園の外で私達の生活に緑を提供してくれ、夏の暑い日は直射日光を避け、小雨時にはちょっとした雨宿りにもなる街の木々。成長しすぎて、本来の目的以外のことで目立ったしまうと、伐採されてしまう行く末を見た思いです。

木々の会話を勝手に想像してみました。

「なぁ、兄弟、なぜ俺たちは伐採されなきゃならないんだ?、俺たち今までここでずっと両手を広げて育ってきたじゃないか」

「俺たちが目立ちするのかな、大きくなり過ぎたのか、もう俺たちは用済みなんだな、兄弟」

「そんな、嫌だ!切られなくないよ」

「諦めるんだな、俺たちはどうしようもできない、ありがとな、今まで。これまで兄弟らと色んな車、人、列車を見てきたよ、それもどうやら今日までだな」

「嫌だ!おれは切られたくないんだ、ここで立っていたいんだよ!」

「おわかれだな、兄弟・・・」

・・・

複雑な思いでこの歩道を自転車で通り抜けていましたが、今も昔も列車が通ることではしゃぐ子供達は同じでした。

歩道沿いにあるちょっとしたスペースには、環状線を疾走する電車や検車場での電車を眼前で見れる場所もあり、仲の良い兄弟がキャッキャはしゃぎながら電車を見ていました。

大阪市内の公園でも成長しすぎて、逆に公園内の見通しが悪くなったり、木々の距離が近いと間引きされてしまって、無残な切株だけが残っているケースがあります。役目を終えた木々を切られてしまうわけですが、願わくは、切られた木が何かに有効活用されていれば、と思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

玉造筋の歩道沿いにあった巨木街路樹とその残骸切株
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