中国国営企業がバタバタ倒産

国営企業がバタバタ倒産などとはあまり考えられないことかと思いますが、2020年の年末にかけて中国の国営企業が倒産、破産、デフォルト(債務不履行)になったというニュースを多く見ました。倒産ということは、事業が継続できなくなった、債務を返済できなくなったということでしょうから、これを由々しき事態です。それが国内企業であれば、なおさらです。債務超過にならないよう、色んな金策も考えられますが、それさえも万策尽きて倒産にいたっているものと思います。このコロナ禍における海外企業とのやり取りにおいて、いよいよ外貨であるドルが枯渇しはじめてきたのでしょうか?だとしたら、債権者は外国企業となり、中国企業倒産による泣き寝入りすることになりますね。こういった事が続くと各国企業が中国企業、かりに国営企業であっても契約する際には相当な与信調査を要したり、金額支払いに関しては今まで以上に気を付ける必要があるかと思います。

色々調べてみると、ほとんどの会社が社債発行後の支払いができないため、債務不履行となっているケースが多いです。積極的なM&A、投資などを目論んで市場から社債などを通じて調達した資金を以て、攻勢に出たもののその後の息が続かなかったケースかと思いますが、コロナ禍による混乱も考えれます。

国内企業なので、つぶれることはないだろう、いざとなったら国がサポートするだろうと思っていたのが、国もフォローせず倒産すべきときは倒産するということがはっきりしています。といっても、「その会社」は倒産しますが、「新会社」として別の会社名として同事業を継続するケースも考えられます。丸損を食うのは債権者となる企業でしょうね。

まずは直近で倒産した中国の国営企業を以下に整理します。国営企業だけでこの規模と数ですから、その他の非国営企業なども含めれば非常に多くあると考えても不思議ではないでしょうし、中小では連鎖倒産もおきている可能性もあります。

年月日業種会社名破産 or
デフォルト
備考
20/11/10石炭永煤集団デフォルト格付けAAA
財務諸表を
違法に改竄か?
20/11/18半導体紫光集団社債債務不履行
元建・ドル建
20年6月末時点で
1566億元の
有利子負債
20/11/20自動車華晨汽車
集団
デフォルト
523億元
BMWと合弁
20/12/1EV
バッテリー
Tianqi
Lithium
デフォルト
18億ドル
20/12/3不動産デベロッパー剛泰集団デフォルト資産4,800億円
20/12/7自動車ブリリアンス
オートモービル
グループホールディングス
債務不履行総額
65億元
延滞利息総額
1億4400万元
格付けAAA
資産3.2兆円
20/12/8大手アパート経営エッグシェル
アパートメント
破産40万7000棟の
アパート
業界第二位
20/12/11建設会社中国科学
技術建設
破産監査債務総額が
371億元
20/12/14半導体
集積回路
武漢弘芯破産設立当初
総投資額1280億元
20/12/15繊維山東如意
科技集団
債務不履行M&Aを欧米の遷移業界に実施
日本ではレナウン
を買収
20/12/16肥料江西六国
化工
破産

上場企業の会社が倒産すれば、文字通り株はすべて無価値となってしまうので、そう考えると怖いですね。国営企業は地域に密着した事業、もしくは将来が明るそうな事業であっても倒産するとき倒産するわけですが、倒産の規模が非常に大きく、その11月・12月で非常に多くの会社が社債不履行、デフォルトに陥っており、中国の債権市場内でも大きな混乱が起きているようです。

連鎖倒産してしまう企業、不動産会社などは住民が締め出されてしまったりと大変な目にあっています。中国は非常にスケールの大きな国ですが、急成長を遂げる会社がある一方で、大きな会社であっても潰れる時は潰れるという市場原理がしっかりと機能しているとポジティブに認識しておくのは悪くないかと思います。

しかし、社債がデフォルトしそうなものは、ある程度読めそうなものだと思うのですが、それを回避するにあたっての色んな金策なども奔走した上で、打つ手なしのデフォルトになっていることを考えると、追い詰められている企業は他にも多くありそうな気がします。 

ただ、2008年の北京五輪が終わってから、やたらと中国のバブルが終わって崩壊する、のような本や雑誌が毎年のように出ておましたが、そんな状態にはならずむしろ継続的な発展成長をしてきてます。

戦争や革命とかの歴史的な惨事でも起きなければ、そんな状態には早々ならないと管理人は思ってます。

100年に一度、と言われたリーマンショックでさえ、もうそんな影が全く見えません。何が100年だ、とか思うほどです。

世の中に出回る情報が如何に扇動的なものか、ということでしょうね。

中国国営企業倒産
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